秋の京都ひとり旅(十) 大原・寂光院 |
10月4日
山奥深い大原草生の里にひっそりと建つ寂光院。
平家物語の悲劇のヒロイン、平清盛の娘徳子『建礼門院』ゆかりの寺院です。
訪れたのは初めてです。
元治元年、平家一門が壇ノ浦に滅び、わが子安徳天皇ともども入水した建礼門院は、
ひとり敵に助けられて京に送還され、東山の長楽寺で髪をおろす。
そして間もなく、都から十数キロも離れた大原草生の里・寂光院で隠棲する。
寂光院の傍らに庵を結び、36歳で生涯を閉じるまでの8年間、夫、高倉天皇や、
わが子安徳天皇、平家一門の菩提を弔いつつ、念仏三昧の短い生涯を閉じた。
過酷な運命に押し流され、はかなく生きた建礼門院。
平家物語の悲哀をひしひしと感じる寂光院でした。
参道の石段 奥に見えるのは山門
山門
石段を上り終えたところにある小さな桧皮葺(ひわだぶき)の山門で
その向こうに寂光院の小さな本堂が佇む。
本堂
桃山時代頃の建築の特徴を残していると言われていた寂光院本堂は
平成12年5月9日未明、不慮の火災により消失した。
その後、焼け残った木組みや部材を入念に調査し、材木を吟味して
5年の長き歳月を経て平成17年6月2日に再建。
汀(みぎわ)の池
シュウカイドウ
本堂のまわりの小さなお庭はよく手入れされていて
白いサルスベリの花とピンクのシュウカイドウが綺麗でした。
赤く色づくヒヨドリジョウゴ
手入れされた清々しいお庭 左に見えるのは梵鐘
梵鐘
江戸時代に建立された鐘楼には『諸行無常の鐘』と称する梵鐘がかかっている
境内から見た山門
参道の石段に沿って古紅葉の木立が続きます。
何度も振り返りながら、またぜひ訪れたいと思いました。